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  • 2023.05.10
  • コラム更新!第六十三稿「ChatGPT(ジェネレイティブAI)のビジネス可能性とリスク」-過信でも拒絶でもなく正しく使う-

■ChatGPT(ジェネレイティブAI)とは
ChatGPTは、米OpenAIが開発したジェネレイティブ(生成)AIの名称で、質問に対してAIがチャット形式で回答するサービスのことです。 ジェネレイティブAIとは、学習データを元に創造的なアウトプットを自動生成するAIのことを言います。

■コンテストで入賞するChatGPT作品
2013年に創設された「星新一賞」(日本経済新聞社主催)は、農芸化学を学んだ理系作家の星新一にちなみ、理系的発想からうまれた短編作品を募集しており、AIを「斬新な発想やイノベーションを生み出すもの」と位置づけて、人間以外が執筆した作品も受けつけています。2022年には「あなたはそこにいますか?」というAIを利用した作品が初めて一般部門優秀賞を受賞しました。他にも絵画や音楽などでもAI作品が次々と発表されています。

■知識の寄せ集めによる威力と危険性
AIは本当に人と同じように考えているわけではなく、インターネット上のコンテンツなど既存の情報を材料とする高度な数値演算によって最適な答えを見つけ出しているにすぎません。材料にした元の情報に間違いや不適切なものがあると、結果的に不完全な答えを導き出してしまいます。

■目利きができる人にとっての優秀な補助者
AIを利用した小説や絵画、音楽などの作品でも、その分野の専門家など目利きができる人が利用した場合には、AIはその人にとっての優秀な補助者となります。しかし、その回答結果をチェックする能力を持たない人がAIを過信して利用すると、正しくない結果を盲信してしまい、著作権違反や盗作、虚偽情報の拡散といった不正を行ってしまう恐れがあります。AIの回答結果は、元情報の判別が困難であり、正確性の担保もないことに注意することが必要です。

■過信でも拒絶でもなく正しく使う
まだまだ不完全であるとはいえ、AIを補助的に利用することはできます。ChatGPTを使って、競合他社のSWOT分析や、新商品のマーケティング分析、事業内容からのプロフィール生成、Webコンテンツやプログラムのコーディングなど、既に実用的に利用する企業が増えています。

■情報セキュリティ
一方で、ジェネレイティブAIを悪用する動きも出てきています。Prime Voice AIという音声生成AIは、音声データを学習させることで、その人の声で文章を読ませることができるツールですが、なりすましに悪用される懸念があります。すでにエマ・ワトソンの声でヒトラーの著作「わが闘争」を読み上げさせる事件まで起きています。ジェネレイティブAIが社会のためにうまく使われることを期待するとともに、企業も個人も情報セキュリティやリスク対策にもっと意識を向けてもらえることを強く願っています。