お知らせ

お知らせ

  • HOME
  • コラム更新!第九十二稿「アート思考が現代ビジネスで注目される理由-問いを立てて答えのない世界の見方を変える-」
  • 2025.10.8
  • コラム更新!第九十二稿「アート思考が現代ビジネスで注目される理由-問いを立てて答えのない世界の見方を変える-」

■現代ビジネスを取り巻く背景
テクノロジーの進化や社会のグローバル化によって、ビジネスは「正解がない」時代へと移行しました。従来の「正解を探す」デザイン思考では、既存の枠組みを超える新しい価値創造が難しくなっています。このような不確実性と多様性の時代において、「まだ誰も気づいていない問いを立て、世界の見方を変える」アート思考が注目されているのです。

■アート思考とは何か
アート思考は、アーティストの思考法をビジネスに応用するアプローチです。ロジカルに「解を出す」のではなく、アートのように「新しい問いを生み出す」ことに焦点を置いています。

■デザイン思考との違い
アート思考とデザイン思考の大きな違いは、発想の起点にあります。デザイン思考では「他人軸」である顧客視点に立って具体的な課題解決をめざすのに対して、アート思考は「自分軸」である自分自身の内面からわき上がってく発想を元にして、革新的でまだ見ぬ価値を創造していこうとします。

■なぜ今、アート思考が注目されるのか
今、アート思考が注目されているのには理由があります。世の中の変化が激しく、価値観も多様化し、複雑高度化した社会の中では、これさえあればよいという単一的な答えでは問題を解決できません。今までの常識や過去の知見が通用しなくなってきているのです。またAIの登場によって、人には創造的な能力が期待されるのも理由に挙げられます。

■アート思考の三つの力
アート思考では以下の三つの力が必要になります。最適な答えを探し出す力が重要になるデザイン思考とは大きく異なるため、ものの考え方そのものを見直す必要があります。

①問いを立てる力
    ・「なぜそれをするのか?」という存在意義から出発する
    ・他者と違う視点を持ち、違和感を大切にする
②世界観を描く力
    ・自分なりの「ありたい未来像」を表現する
    ・社会・顧客・技術を結びつけて新しい意味を生み出す
③共感を生む表現力
    ・言葉・ビジュアル・ストーリーで「伝える」
    ・他者と共鳴し、行動を引き出す力を養う

■ビジネスを「作品」として捉える時代へ
アート思考ではビジネスを分析するのではなく、ビジネスそのものを創造していこうと考えます。正解を探すのではなく、正解をつくるという発想が必要なのです。アート思考はまさにこれからのビジネスのあり方を切り開いていく「ビジネスリーダー」としての資質とも言うべきものなのです。