- 2021.06.15
コラム更新!業務のVEで生産性向上-やり方次第で仕事も変わる-
■VEの五つの質問
VEって知っていますか?VEとは製品やサービスの「価値」をそれが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握して、他に代替方法がないか探すことによって、「価値」の向上を図る手法です。実はこのVE手法は業務改善にも応用できます。具体的にはVEの分析手順を元に作成した五つの質問に答えていくことになります。
■1それは何か?
そもそもその業務は何でしょうか?昔からやっていた、前任者から引き継いだという理由だけで、業務自体の意味や意義がはっきりしないということはないでしょうか。業務のアウトプットである成果物が他部署で利用されているか、その成果物がなくなったら誰が困るのかという質問に変えてみてもよいかもしれません。
■2その機能は何か?
その業務はどのような機能があるのでしょうか。誰からの依頼を受けてどのような材料を元にしてどのような作業を行うことによって、必要とされる成果物を提供しているのでしょうか。
■3そのコストはいくらか
その業務にはどれだけの人がかかわり、どれほどの時間をかけて対応しているのでしょうか。
業務遂行に必要となる材料や設備、エネルギーにはどのようなものがあり、どれほど消費するのでしょうか。特に社員や役員、取引先などに対して、表に見えないような手間をかけさせていることはないでしょうか。これらを積算してみると驚くほどコストがかかっていることも珍しくありません。
■4その価値はどれほどか?
VEでは機能/コストで価値を算出します。重要な機能を達成できていてもコストがかかりすぎているかもしれません。特にオフィスの仕事は販管費として扱われることが多く、VEのように個々の仕事に分けて生産性や採算性を測られていないため、価値計算してみることによって、たくさんの無駄な仕事が浮かび上がることがあるのです。業務の価値計算では厳密な計算は必要ありません。その業務が本当に価値があるのか再考することができる程度でよいでしょう。
■5同じ働きを低コストで実現できるものはないか?
最後に同じ働きを低コストで実現できるものはないかについて考えることになります。
社外サービスで内部コストよりも廉価に対応できるものがあるかもしれません。業務の標準化やIT利用によって、低コスト化できるかもしれません。ただし、注意する必要があるのは、あくまでも代替可能性の評価は「価値」によって判断するのであり、単に低価格だから高品質だからというだけでアウトソース先を選んでしまうと、業務力の低下を招いてしまいかねないということです。今行っている現行業務の機能が変わりなく実現でき、かつコストが下がることによって、「価値」が上がることが必要なのです。