- 2021.11.19
コラム更新!「目的と目標の違い」-なんのために仕事をしているのか-
■売上を上げることが仕事の目的か
毎年、期末になるとどこでも来期の目標を立てることが話題となります。そして、売上を○○%アップさせるといった目標をよく見かけるのではないでしょうか。しかし、どうやって売上をアップさせるのでしょう。「営業をがんばります。」という声が聞こえてきそうですが、本当にそれだけで目標が達成できるのでしょうか?
■目標を立てるのに苦労するのは目的がないから
実は特定の人にとっては目標を立てることはさほど難しいことではありません。それは「目的」をしっかり持っている人達です。最終的にめざしている場所をしっかり持っている人にとって、その中間地点である「目標」を立てることは、今、自分がたっている場所をみて、「目的」の場所にたどり着くために次にめざすべき場所を設定することにすぎないのです。
■目的と目標の違いを理解する
「目的」と「目標」の違いについてあらためて考えてみましょう。実は厳密にいえば「目的」はめざすべき場所ではなく、「意義」です。山登りでいえば山頂にたどりつくことだけが「目的」ではなく、山登りそのものを楽しむことも「目的」といえるものなのです。山頂にたどりつくことを「目的」とする人は、途中で休む場所まで登ることが「目標」になり、山登りそのものを楽しむ人にとっては、山頂もまた「目標」の一つであり、家に帰ってから写真をみて思い出に浸るところまでが「目的」かもしれません。山登りそのものを楽しむという意味では終わりはなく、「目的」は永遠に続くといってもおかしくないでしょう。
■企業にとっての「目的」は何か
ピーター・ドラッカーは「独自の商品やサービスを提供すること」と「働く人を活かす」ことを企業の目的に挙げています。言い換えれば、企業は、良い商品やサービスを社会に提供して、お客さまに喜んでもらい、社員に生きがいを感じてもらうことが企業の「目的」なのです。その過程―「目標」―として、売上のアップがあってもおかしなことではありません。しかし、その「目標」はあくまでも、お客さまに喜んでもらい、社員に生きがいを感じてもらうことなしに達成できないのです。
■目標は目的で考えるから達成できる
売上アップという「目標」達成が難しくなるのは、「目的」を見失ってしまっているからです。
お客さまに喜んでもらうにはどうすればよいのか、社員に生き生きと仕事をしてもらうのはどうしたらよいのかという「目的」に立ち返れば、必ず答えが出てきます。たとえ、目標達成に失敗しても、「目的」志向の人はそこから学びを得て、次はもっと前へと進んでいけるのです。