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  • 2021.11.26
  • コラム更新!「Webマーケティングは営業ツールではない」

■巷であふれる「営業強化のためのWebマーケティングセミナー」
 景気が悪くなると必ず「受注を獲得できる営業」や「売上アップの秘訣」といった営業セミナーが人気を集めます。客先のテレワークで訪問営業が困難になる中で、オンライン商談のノウハウを教えるセミナーも増えているようです。全ての営業セミナーが悪いとは思いませんが、営業のやり方さえ変えればうまくいくという話はやはり虫がよすぎるのではないでしょうか。

■本来のマーケティングは売り込みをしない
 経営学者であるピーター・ドラッカーは、「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ。」と言っています。マーケティングでは売り込みは必要なく、顧客に知ってもらうことが必要になります。マーケティング本来の意味も「売れるしくみをつくること」であり、顧客に知ってもらうことはプロモーションと呼ばれるマーケティングの中の一要素にすぎないのです。

■売上の源泉は顧客創造と価値提供にある
 「売れるしくみをつくること」によって、結果的に売上が実現します。そして、「売れるしくみをつくること」とは営業活動だけの改善を指すのではなく、会社全体で仕事のやり方を変えないといけないことを意味します。先のピーター・ドラッカーの言葉を借りると、「顧客は誰か?」、「顧客価値は何か?」という質問の答えを考えることによって、顧客創造すること、そのための顧客が喜ぶ価値を提供することに専念しなければならないのです。

■マーケティングの中心は「商品」
 マーケティング活動の中心は当たり前ですが、「商品」です。売れる商品をつくることが最重要なのです。そのためには、顧客が何を求めているのかを一生懸命調べて、たゆまぬ改良を繰り返し、ようやく顧客に認められるという真面目な取り組みが大切になります。その結果、顧客が喜ぶ商品を開発し提供していくために、営業部門だけでなく間接部門も含む全社的な「カイゼン」活動が必要になってきます。「カイゼン」という言葉はマーケティング発祥の地である米国人が日本語そのままで使っているほど、日本生まれの「カイゼン」活動に敬意を表してくれているのです。

■Webマーケティングは「知ってもらう」ためにある
 Webマーケティングもよい商品をつくるため、改良していくための「カイゼン」活動の一つです。Webページを出して終わりという姿勢からすでに間違っているのです。Webページに顧客がアクセスしてくれる限り、そこには顧客の声が直接、間接の両面から聞こえてきます。
 アクセスが少ないWebページは顧客の居場所や気持ちがわかっていないのかもしれません。直帰率、離脱率が高いWebページは、顧客が欲しいと思う価値を提供できていないのかもしれません。「売りたい」、「買って欲しい」という気持ちを抑えて、まずは顧客にもっと幸せになって欲しいと心から願い、顧客に寄り添うところから始めてみませんか。グーグルもアマゾンもスターバックスも、まさに顧客本位のマーケティング活動で成功した代表的な企業なのです。