- 2022.04.27
コラム更新!第四十六稿「社員のやる気が会社を元気にする」-低いモチベーションは伝染する-
■G8の中で最下位、日本人の「やる気」
少し古い調査ですが、T社が2012年に行った行われた調査によると、「会社に貢献したい」という意欲の高い日本人の割合は全社員のうち3%でした。この調査では、日本人の貢献意欲はG8の中で最下位なのですが、日本人は「どちらともいえない」を選択する傾向が大きいため、実際にはこれほどひどくはないとは言われています。しかし、企業の業績不振や新型コロナによる活動制限など様々なマイナス要因が重なって、やる気を失っている人が増えていると感じてしまうことは否定できません。
■やる気の低下が招く負のスパイラル
社員のモチベーションが低い組織は、社員のモチベーションが高い組織と比べて30%以下の生産性しか発揮できないと言われています。低い生産性は業績の悪化を引き起こし、業績の悪化によって、社員が会社の将来に対して不安を感じて離職するなど、さらにモチベーションの低下を引き起こすという負のスパイラルを招いてしまうのです。
■低いモチベーションは伝染する
優秀な新規人材を獲得しても、やる気のない社員が教育してしまうと低いモチベーションが伝染します。その結果、やる気をなくさせてしまい、また新たなやる気のない社員を作り出してしまいます。特に、日本人は集団に合わせる気質を持っているため、やる気のある人材をつぶしてしまいやすいのです。
■テレワークで薄れる帰属意識
新型コロナによる外出規制によって広がったテレワークもまた、社員のモチベーション低下の大きな要因となっています。どれだけ仕事をがんばっても、その姿を見てもらえていない状況において、モチベーションを維持するのはなかなか難しいことです。テレワークでは、上司や先輩から声をかけてもらったり、雑談をしたりする機会が減りがちなため、組織に対する帰属意識も薄れがちです。
■行動しなければやる気は出てこない
「やる気が出ないから何もできない」と言う人がいますが、これは大きな間違いです。「行動しないからやる気がでない」のです。トヨタのカイゼン活動でも小さなことをやり続けるから、大きな成果に結びつくのであり、小さなことでもやろうとしないから、ますますやる気がなくなってしまうのです。「やる気が出ないから何もできない」という社員が多いのであれば、トップや上司自らが行動してみせて、モチベーション向上への先頭を切ることが大切です。
■コミュニケーション頻度を増やす
テレワークが多くなる中で、ゴールデンウィークなど社員とのコミュニケーションがますます減ってしまうことが懸念されます。簡単なワークであっても、仕事を始める前や後で、意見を聞いたり、アドバイスするといったコミュニケーションがあるからこそ、人は刺激を受け合って成長できるのです。縦横関係なく、コミュニケーションを増やすことを考えてみてください。時間の無駄だからといって会議や雑談の場を減らした結果、モチベーションが下がって生産性が低下してしまうのでは、本末転倒ではないでしょうか。