- 2022.08.17
コラム更新!第五十三稿「ロジカルシンキング(論理的思考)の勧め」-管理能力を高めるために-
■目標を達成できない理由はがんばりが足りなかったせい?
予算や目標を設定している企業は少なくありませんが、それが達成できなかった場合に有効な手立てを打てられている企業はどれほどあるでしょうか。目標を達成できなかったのは、がんばりが足りなかったからと、次期には取り返しますからといった言い訳で済ましてしまっているということはないでしょうか。
■筋が通らない言い訳では上も下も納得してくれない
精一杯がんばった部下にしてみれば、がんばりが足りなかったせいにされてはたまったものではありません。上司にしても、次はがんばるからと言われても、次期も同じ結果になるのではないかと不安になるでしょう。あいまいな振り返りで目標未達の原因をうやむやにしてしまうことは誰にとってもいいことではないはずです。
■目標未達の原因がチャンスにつながることも
なぜ目標が達成できなかったのかという原因には、がんばりが足りなかったからという内部的な能力の問題以外にも様々なことが考えられます。顧客ニーズや競合先の行動など、当然と考えていた前提条件が変わってしまうこともあります。想定外に目標以上の成果を上げるチャンスが出てきて、対応しきれなくなったということもあるかもしれません。目標未達という結果だけを見ているだけでは、そこで何が起きているのかという真実を知ることはできないのです。
■論理的に考えるためのロジカルシンキング
現象としての問題から本質としての原因問題を見いだすためには、論理的に考えるためのロジカルシンキングが役にたちます。変動が激しい現代においては、管理職はぜひとも身につけておきたいスキルです。ロジックツリーはロジカルシンキングでよく使われる分析手法の一つです。ロジックツリーを使うと、問題の要因や解決策の論理的なつながりをツリー状に展開することによって、論理の飛躍をなくし、因果関係の連鎖を追いかけることができます。
■普段から考える習慣をつけよう
ロジックツリーを使うか使わないかにかかわらず、重要なのは乱暴に結論づけるのではなく、丁寧に因果関係について考えることです。考えることを面倒に思うようになってしまうと、それが習慣になってしまいます。むしろ、普段から考える習慣をつけることが大切です。「なぜ顧客は注文をくれなくなったのか?」、「なぜこの商品は売れるのか」、「なぜ顧客はリピートしてくれるのか?」など、目標の達成、未達に関係しそうな出来事に対して意識を向けて、常になぜなぜと自問自答することが必要です。何も原因なく起きる問題などないのですから。