- 2026.03.4
コラム更新!第九十七稿「BSC(バランススコアカード)による経営戦略の体系化-スピード経営の時代だからこそ重要に-」
■先が読めない時代だからこそBSC(バランススコアカード)が必要に
顧客ニーズの多様化やテクノロジーの急激な高度化など、企業を取り巻く環境は日々変化し、競争はますます激化しています。従来であれば5年くらいの間隔で中長期の経営計画が策定されていましたが、数年先ですら見通すのが困難な時代になってきています。
実はこうした時代だからこそ、経営環境を鳥瞰的に考え、これから進むべき経営の方向性を考えるためのフレームワークとして、BSC(バランススコアカード)に注目が集まっています。
■BSC(バランススコアカード)とは
BSC(バランススコアカード)は、従来の財務指標だけでなく非財務指標も含めて、企業活動の目的・目標を多角的に立案・評価するためのフレームワークです。BSC(バランススコアカード)では、経営活動を財務、顧客、業務プロセス、学習と成長という4つの視点からモデリングすることによって、経営戦略をストーリーとして見える化することができます。
■BSC(バランススコアカード)の4つの視点
1.財務の視点
従来からある財務諸表の各勘定科目がこれにあたりますが、従来であれば、「売上」という損益科目は、「商品」という資産科目によって実現されると考えていたのに対して、BSC(バランススコアカード)では、その他の3つの視点-顧客、業務プロセス、学習と成長-との関係によってもたらされると考えます。
2.顧客の視点
顧客から見て、企業はどう見えるべきか?」という視点です。新規顧客獲得数や既存顧客維持率、顧客満足度といった指標が重要になります。財務の視点における「売上」の源泉として、顧客の獲得とその満足度が不可欠なものになります。そして、その実現には次の「業務プロセス」におけるマーケティング活動が不可欠なものになってきます。
3.業務プロセスの視点
業務プロセスの視点としては、顧客の獲得・維持に直結するマーケティング活動だけでなく、商品やサービスの提供に必要となる調達、製造、保管、移動、納品、アフターサービスといった顧客満足に直結する業務プロセス、さらには、総務や経理、人事といった間接業務プロセスも対象になります。こうした業務プロセスの生産性や品質、スピードといった指標の改善がここでの課題になります。
4.学習と成長の視点
業務プロセスを維持するのも改善するのも全てはそこで働く「人」としての社員です。
最終目標としての財務の視点における目標を達成するために、必要となる社員の意識や能力にはどのようなものが必要になるのか、そのための教育や訓練は何なのかを明らかにすることが必要になります。
■BSC戦略マップ
これら4つの視点の関係を図に表したものを戦略マップと呼びます。以下は以前、私が作成支援した戦略マップの作成例です。

■BSC(バランススコアカード)で失敗しないために
BSC(バランススコアカード)で失敗しないためには、①原点としての自社の創業時における出発点やその後の社歴を把握しておくこと、②これから先に向かうべき/向かいたい未来に向けたビジョンを明確にしておくこと、③全社員参画によって、みんなが納得していることが重要になります。絵に描いた餅ではない会社にとって不可欠な航海図となるように、社内の知恵を集めてしっかりと作成することが必要なのです。