- 2020.12.18
コラム更新!重要性が増すダイバーシティ・マネジメント-画一的マネジメントの限界-
■多様性が増す職場に困惑する管理職
怒れば辞めてしまう、放っておくととんでもないことをする、話がかみ合わないなど、若い社員とのコミュニケーションに手こずる管理職が増えています。パワハラだセクハラだと言われてもどこからが不適切なのか、どこで線引きすればよいのかという基準が人によってまちまちなのではないでしょうか。さらに外国人労働者の採用や女性の活躍、高齢者の再雇用など、昔ながらの仕事のやり方で通してきた人達には、まさに「異邦人」だらけに見えているかもしれません。
■外国人や女性、高齢者だけではない社員の多様化
現代はダイバーシティ―多様性―の時代です。昔のような画一的な教育や文化の時代とは違って、インターネットを通じてマイノリティ(少数派)が堂々と意見や情報発信することができます。私達もまた様々な価値観に触れることができ、知らず知らずと昔の人とは比べものにならないほどの知識と体験を得ています。言い換えれば、多様な知識や経験を持った人材があふれているのです。多様な社員が増えたことを嘆くのは本末転倒であり、貴重な人材をたくさん持てることを喜ぶべきではないでしょうか。
■社員の多様性を、イノベーションを起こせる
社員の多様性を認めて活かすことができれば、これまででは表に出てこなかった視点での発想や化学反応を生み出し、創造性や生産性を一気に高めるようなイノベーションを起こすことができます。私が支援する会社の一つで、各部署からメンバーを集めたチームをいくつも作って、そこで新事業や業務改善のプロジェクトを始めたところ、今まで消極的だった若手社員や女性社員がキーパーソンとなって、どんどんアイデアを出すようになりました。ダイバーシティ下の環境では、上意下達の「管理型」マネジメントではなく、個々の特性を認め可能性を信じ活かしていく「委任型」のマネジメントが効果的なのです。
■根(ミッション)と志(ビジョン)を共有して価値観(バリュー)の違いを認め合う
多様な人々が集まって共同で何かをするためには、「同じ」と「違う」を分かち合うことが重要です。具体的には、根(ミッション)と志(ビジョン)を共有して価値(バリュー)の違うを認め合うことが必要になります。根(ミッション)と志(ビジョン)を共有することによって仲間として一つになり、価値(バリュー)の違いをわかり合うことによって任せることが可能になるのです。野球やサッカーなどのスポーツ選手は、まさに「同じ」と「違う」を分かち合って一つのチームとして戦っています。個々の個性や能力を殺してしまうことなく、チームとして機能させることができるリーダーやマネージャーが企業にも必要とされている時代なのではないでしょうか。