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  • 2021.11.4
  • コラム更新!「VAとNVA」-その仕事は顧客にとって価値があるか-

■VAとNVA
 VAとはValue-Activity(顧客価値を生み出している活動)、NVAとはNon Value-Activity(顧客価値を生み出していない活動)のことを意味します。顧客価値を生み出している活動とは、顧客がお金を払っても良いと思う活動であり、反対に顧客価値を生み出していない活動に対して顧客はお金を払いたくありません。VA比率(VA/NVA)が高い企業に対して顧客の信頼は厚く、VA比率(VA/NVA)が低い企業に顧客離れが起きることは容易に想像がつくでしょう。

■VAとNVAを区別できていますか
 事務処理や報告、連絡会議など、顧客にとっては関係なくても社内においては不可欠な活動は存在します。NVAであっても、長期的にみれば取引先が安定して継続取引してくれるためには管理業務や間接業務にも意義があります。むしろ、情報セキュリティやSDGsのように従来であれば中核業務ではなかった活動が、VAに代わってしまったものさえあります。
 商談や納品、品質保証のように直接顧客価値にむすびつく活動はVAとして意識しやすいのですが、顧客から離れたところで行われる活動はVAかNVAなのかという区別があまりされることなく、前からやっている仕事だからという理由で見直しされることが少ないのです。

■NVAが増えていく理由
 顧客価値につながらない活動を増やしても、顧客満足の向上につながりません。しかし、現実には、顧客価値につながらない仕事を一生懸命やっていたりします。それどころか、NVAをもっと増やそうとしていることもあります。どうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか。それは、会社の中で業務が部署ごとに分断され、仕事が属人化していることに大きな原因があります。全ての部署や社員が全社的につながり、サッカーチームのように営業活動をフォワードとして後方部門が連動して活動していけば、VAとNVAの見極めは容易です。全体最適された組織が競争力を獲得し、部分最適の組織が淘汰されていくのは、こうした理由からなのです。

■仕事の出来映え基準としてのVA・NVA
 仕事の出来映えを決めるのは、部門ごと担当者ごとの成果ではありません。工場だけの製造原価が低減しても返品率や在庫回転率が悪ければ意味がないでしょう。部分的にみれば効率が悪くても全体でみれば顧客目線で見れば意義があることも少なくありません。歩留率が悪くても作りすぎをなくす方がSDGsを推進する顧客企業にとってはよいことです。反対に、ハンコ文化やなんでも申請、多すぎる会議のような典型的なNVAは、ペーパーレスやIT化によって、効率化してしまった方が顧客に喜ばれるかもしれません。

■VA・NVAの棚卸しが重要に
 顧客ニーズが多様化、流動化する現代において、企業は定期的に自社の活動をVA・NVAの視点から棚卸ししてみることが重要になっています。業務改善のために活動強化することだけが正しいのではなく、場合によっては思い切って縮小、さらには廃止すべきことも重要なのです。