コラム

コラム

  • HOME
  • 第八十稿「問題思考と課題思考の違い」―現状に束縛されずに未来に向けて働く―
  • 2024.10.3
  • 第八十稿「問題思考と課題思考の違い」―現状に束縛されずに未来に向けて働く―

■問題思考と課題思考の違い
問題と課題とは同じような意味を持つ言葉としてよく混同して用いられていることが多いのですが、実は全く意味が違う言葉です。問題は現状レベルを維持する上で解決しなければならない不都合な状態であり、課題はより上のレベルに達するために取り組まなければならない実現すべき状態のことを意味します。問題解決も課題解決もどちらも必要なことですが、問題思考では現状に目が、課題思考では将来に目が向いているところに大きな違いがあり、DX(デジタル・トランスフォーメーション)のように大きな変革を必要とする取り組みでは問題思考なく課題思考で考えることが求められます。

■問題思考における現状束縛
顧客ニーズの変化や競争の激化、ビジネスのグローバル化などビジネスを取り巻く環境が大きくかつ急速に変化する現代においては、必然的に問題思考よりも課題思考が必要になってきています。問題思考ではどうしても現状ありきになってしまい、守るべき現状自体に変革が求められる時代においては、社会の変化に取り残されてしまうリスクが高まってしまいます。

■課題思考だからできる現状打破
問題思考が悪いわけではありませんが、将来に向けた組織変革を実現するためには、現状打破することが不可欠です。場合によっては、自分たちの仕事や役割そのものさえ否定して、よりよい方法を考えるということも必要になってくるでしょう。そのためにはどうしても課題思考になることが求められているのです。

■未来実現のために今何をすべきか
課題とは未来実現のために今すべきことを意味します。そのためには、実現すべき未来の姿をビジョンとしてはっきりとしたイメージを持つことが重要です。その上で、実現したい未来の姿を青写真としてビジョンに描くことによって、現状とビジョンの差を埋めるための課題が浮かび上がってくるのです。

■課題思考が不可欠となるトランスフォーメーション
前述したDXやGX(グリーン・トランスフォーメーション)など企業において推進すべき様々な経営テーマにおいて課題思考が必要になってきています。やってくる未来に対して受け身で対応するリアクティブな経営ではなく、望ましい未来を先取りして対応するプロアクティブな経営が今、求められているのです。