- 2026.01.8
第九十五稿「なぜ忙しいビジネスパーソンこそ「小説」を読むべきか-人間力を養うために-」
■ビジネス書を読んでも小説は読まない
ビジネス書を読んでも小説は読まないというビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。しかし実は、ビジネスパーソほど小説を読むべきなのです。現実世界では決して得られない視点を与えてくれるからです。
■人の「心の中」を疑似体験できる唯一の手段
現実の世界では、私たちは人の心の中を完全に知ることはできません。どれほど親しい相手であっても、「今この言葉をどう受け取ったのか」「なぜ沈黙したのか」は推測するしかないのです。小説の世界では、それが可能になります。主人公だけでなく、脇役や敵役までもが何を考え、何に傷つき、何を恐れているのかが描かれます。小説を読み続けることによって、人の考え方や思いを推測する力を養うことができるのです。
■人生は「単線」ではなく「重なり合う物語」だと知る
小説の魅力のひとつに、「伏線回収」があります。何気ない一言や行動が、後になって大きな意味を持つことになります。人生は、過去・現在・未来が一本の線でつながっており、さらにそれが、他人の人生と複雑に絡み合っています。偶然に見える出来事も、実は必然の積み重ねだったりします。
これはビジネスシーンでもよく経験することではないでしょうか。
・なぜ今こんなことが起きているのか
・この失敗に意味はあるのか
一度の失敗で自分を否定してしまう、一時的な成功に酔って判断を誤るということがないように、ここにいたった経緯は何なのか、この先どうつながっていくのかを考えてみることが大切になります。小説を読み慣れている人は、こうした感情の揺れに比較的強くなります。物語の中で何度も「途中経過」を見てきているからです。
■忙しいからこそ小説を読む
短期的な効率だけを求めるなら、小説は「遠回り」に見えるかもしれません。しかし長い目で見れば、小説はビジネスパーソンとしての土台を確実に育ててくれます。
・人を理解する力
・自分を客観視する力
・出来事を長期視点で捉える力
これらは、年齢や役職が上がるほど重要になる力です。忙しいビジネスパーソンこそ小説を読むべきなのです。