- 2020.03.24
AI時代に求められる人材とは ―今を動かす人材から先を創り出す人材の時代へ―
■AIが仕事を奪う時代がそこまで来ている
クラウドサービスやAIなど情報技術がますます高度化していく中で、個人の生活が便利になるだけでなく、ビジネス活動も明暗ともに影響を受けるのは必然でしょう。昔ならばもてはやされたであろう事務能力の高さも、クラウドサービスを使えば簡単にできてしまうことも珍しくありません。語学にしてもインターネット上の情報であれば翻訳ができるのは当たり前であり、スマホにおいては紙の資料ですらカメラで撮影すれば翻訳してくれるアプリさえあります。それならばこれからはITスキルだということでプログラミングを勉強する人が増えていますが、AI化が進む先の時代に職人的なプログラマの仕事だけが残るとはとても思えません。
■優秀な社員が会社のためになるとは限らない
トップにとって、これからどのような人材が必要になるのかについてしっかりと見極めておくことは、組織が生き残っていくために死活問題と言っても過言ではないでしょう。有用な社員を確保するという意味だけでなく、時代に取り残された社員の面倒もみていかなくてはならなくなるからです。 単純作業にはじまり専門的な事務作業、さらには高度な知識職業ですら、先の時代(近い先)には不要になっていく可能性があります。新しく出てきた使える技術(しかも廉価)をどんどん活用していくベンチャー企業が、古い人材や制度に縛られた大企業を追い抜いていくことも起こりうるでしょう。
■今を動かす人材から先を創り出す人材の時代へ
過去において単純作業がコンピュータやロボットに置き換えられたように、専門知識や経験にもとづく判断が求められる仕事が今後、AIに裏打ちされたクラウドサービスに置き換えられていくと思われます。それでは企業は今後、どのような社員を採用し育成していくべきなのでしょうか。社員になる側、残る側においても知っておかなければ、路頭に迷うことになりかねません。AI時代に必要とされる人材はAIが不得意な分野にあるはずです。
■これから先の会社を創造していく人材
AIは過去から現在に至るまでのデータから学習し、人間と同等あるいはそれ以上の判断能力を獲得することができます。言い換えれば、「今」の会社のあらゆる仕事はAIが適用できる可能性があるのです。裏返せば、AIは関連するデータがまだ存在しない全くの未知な未来については無力です。新しいことにチャレンジする勇気や意欲、主体性、行動力、洞察力といった資質や、それを実現化するための発想力や企画力、提案力、調整力といった能力はAIには真似できない領域なのです。そして、これらの資質や能力の前提となるのが、「今」ではなく「先」を志向する価値観です。おそらくこれからの社会は高度化に向けてスピードをあげていくことでしょう。そこで活躍するのは「先」を志向する価値観を持つ人です。過去や現在にしがみついていてもおいて行かれるだけです。まだ見ぬ未来社会を築くのはあなたなのかもしれません。