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  • 第六十八稿「AI時代に生き残る人材とは」-AIに仕事を奪われていく人達-
  • 2023.10.6
  • 第六十八稿「AI時代に生き残る人材とは」-AIに仕事を奪われていく人達-

■AIに仕事を奪われていく人達
AIがますます高度化していく中で、個人の生活が便利になるだけでなく、ビジネス活動も明暗ともに影響を受けるのは必然のことでしょう。昔ならばもてはやされたであろう事務能力の高さも、AIを使えば簡単にできてしまいます。語学にしてもWebページであれば翻訳ができるのは当たり前であり、紙の資料ですらスマホのカメラで撮影すれば翻訳してくれるアプリさえあります。それならばと、これからはITスキルが重要になるからプログラミングを勉強しようと考える人が増えていますが、すでにプログラマがChatGPTをプログラムの作成補助に使うことが一般化しつつあります。

■AIに取って代わられる仕事とは
AIは過去から現在までのデータから学習し、人間と同等あるいはそれ以上の判断能力を獲得することができます。言い換えれば、「今」のあらゆる仕事はAIに取って代わられる可能性が高いのです。新しいMicrosoftOfficeでは、作りたいドキュメントの要件をチャットに入力すればドキュメントのドラフトを自動作成してくれます。Excelの関数や操作方法を知らなくても高度な集計表やグラフを作成することも可能です。

■AIが不得意とするフィールドもある
AIは関連するデータがまだ存在しない全くの未知な未来については無力です。新しいことにチャレンジする勇気や意欲、主体性、行動力、洞察力といった資質や、それを実現化するための発想力や企画力、提案力、調整力といった能力はAIには真似できないフィールドなのです。

■AI時代に生き残る人材とは
AI時代に生き残れる人材は、AIが不得意なフィールドに立っているはずです。AIが不得意とする未知な未来に向かって仕事ができる人材に求められるのは、「今」ではなく「先」を志向する価値観です。言い換えれば現状問題の改善ではなく、将来課題の解決に向けた取り組みができることが大切なのです。

■クリエイターも仕事を奪われている
しかし、現実はそう簡単な話しではありません、AIの能力は今でもすでに相当に高く、過去の音楽曲や絵画データから学習させればヒット曲や名画を生み出してしまいます。過去に存在しないヒット曲を作ること、見たこともない画風を編み出すことができなければ、クリエイターでさえAIに仕事を奪われかねないのです。

■AIを協力者として活用する
少なくとも「今」ではなく「先」を志向する価値観を持つ人にとっては、AIは敵ではなく補助者として利用することができるはずです。MicrosoftOffice上のAIがCopilot(副操縦士)と命名されているのもそういった意味合いを持たせているからだと思われます。AIに依存しすぎず、自分の補助者として活用することによって、仕事の生産性が上がり、余った時間を新しいことを考えるために使うことができるようになります。
そして、本を読んで国語力を高めたり、芸術に触れて感性を磨いたりすることによって、自分の創造力を高める努力をしていくことが、AI時代に生き残るための鍵となるのです。
特に国語力はChatGPT などAIに適切な指示を与えるための重要なスキルになりつつあります。