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  • 2024.01.22
  • 第七十一稿「相手目線で考える」―アソシエイト(主観視)とディソシエイト(客観視)―

■なぜパワハラ、セクハラはなくならないのか
パワハラ、セクハラが社会的問題となり、どこの会社でも幹部を含む社員研修が行われています。しかし、その効果もむなしくパワハラ、セクハラはなくなる気配を見せません。
それどころか、価値観や働き方の多様化が進む中で以前より増えているようにも思えてなりません。

■相手目線で考えるディソシエイト(客観視)の必要性
パワハラ、セクハラ問題は、加害者だけでなく被害者側にも権利に対する過剰意識があったりと簡単に説明できるものではなりません。ここでは、純粋に加害者側が気をつければなくなるはずのパワハラ、セクハについて考えてみたいと思います。パワハラ、セクハラ問題を起こしてしまう人に共通するのは、相手目線で考えるディソシエイト(客観視)ができないことです。自分が言われたりされたりしたらどう思うかを考えることが苦手なのです。

■アソシエイト(主観視)だけでは顧客志向にも社員ファーストにもならない
ディソシエイト(客観視)の反対がアソシエイト(主観視)です。アソシエイト(主観視)の行き過ぎが自己中ということになります。アソシエイト(主観視)が悪いわけではなく、ディソシエイト(客観視)ができずにアソシエイト(主観視)しかできないことに問題があります。アソシエイト(主観視)しかできないと、パワハラ、セクハラ以前に顧客志向も社員ファーストもできません。

■相手の立場を自分に置き換えてみる
ディソシエイト(客観視)がうまくできる人は、相手の立場を自分に置き換えてみることが得意です。こう言えば自分ならばどう感じるか、こうすれば自分ならばどう思うかということを常に意識することによって、相手の立場に立って考えるくせがついてきます。言ってしまう、やってしまう前に相手の立場で考えることができるようになれば、少なくとも自分が嫌だと思うことはしなくなるでしょう。

■自分の姿を客観視してみる
さらに次元の高い意識レベルになってくると、相手だけでなく自分自身のことも客観視できるようになります。演劇をみているように、第三者の視点から自分の言動や行動を観察できるようになると、その場面の前後まで意識できるようになります。また、当事者だけでなく、まわりにいる人達の気持ちまで配慮できるようになります。

■小説や演劇、映画鑑賞の勧め
相手の立場で考えたり、第三者の視点から自分の言動や行動を観察できるようになるには、小説を読むことや演劇や映画を鑑賞することが役に立ちます。日常会話でも、言いたいことの言いっぱなしではなく、聞き手にまわって相手の話をよく聞くように心がけることが大切です。