- 2020.12.11
ゴールから考えるスケジュール立案-逆算思考でリスクをつぶしていく
■なぜスケジュールどおりにいかないのか
会社の中には様々なスケジュールがあふれています。しかし、本当に計画されたとおりに進行しているスケジュールはどれほどあるでしょうか。中にはあてにならないスケジュールをはなから信じていない人もいるかもしれません。これほど目にすることが多いにもかかわらず、適切にスケジュールを作成するための議論はあまりされているように思えません。スケジュールが適切だったら、その先に起きた大きな問題や事故は避けられたかもしれないのです。
■スケジューリングは地頭(じあたま)だけでもできる
実はスケジュール作成は対象業務に関する専門的な教育を受けなくても地頭(じあたま)だけでもできるものなのです。反対に、専門知識がある人の方が思い込みで重要なタスクを見落としてしまう危険すらあります。スケジュール作成する際は、常にはじめて取り組む業務として、その成功に向けたシミュレーションを頭の中で実行しておく必要があります。
それができていなければ、途中で必要なものが手配されていなかったり、前工程のやり直しなどの手戻りが発生してしまうことになるのです。
■後ろ(ゴール)から考えるスケジュール
もっとも多いスケジュール作成上の誤りはスタートから書き始めることです。未知の未来に向かってどこに進んでいけばよいのかをどうしてわかるのでしょうか。ベテランのツアーガイドがミスを起こすのも慣れた仕事だから思い込みでスケジュールをたてるからです。スケジュールは初めての仕事でも経験のある仕事でも、必ず後ろ(ゴール)から考えらければなりません。具体的な成功イメージを描くことでやるべきことが浮かび上がってくるのです。特に慣れた仕事、いつもの仕事の場合は注意が必要です。ゴールイメージが上司や顧客と違うにもかかわらず、いつものスケジュール感で仕事をすれば失敗することは明らかでしょう。
■逆算思考でリスクをつぶしていく
最終ゴールの実現を妨げるものは何でしょうか。品質不良、納期遅延、予算超過など好ましくない状況がいくらでもあげることができるでしょう。そしてこうした好ましくない状況を生み出す原因もまた、要員の不足、手配漏れ、資材納品の遅れ、あいまいな仕様、伝達ミス、チェックの抜け、などいくらでもあげることができます。こうした好ましくない原因を生み出す原因をスタート地点までさかのぼって排除していけば、スケジュールができあがるのです。スケジュールは「今ある状態」から積み上げてたてるものではありません。最終ゴールから「あるべき姿」を思い描いてさかのぼっている逆算思考が不可欠なのです。