- 2021.03.2
仕事の終わりは振り返りまで-Seeの重要性がますます高まる変動の時代-
■目の前のことしか考えない危うさ
作業ミスや遅れなど好ましくない状況が起きると、なんとか取り繕おう、間に合わせようとして、通常とは違うやり方で切り抜けようとするのはよくあることです。しかし、通常ならばできている品質や安全、環境といった重要な管理作業が省かれてしまい、危ない橋を渡ってきたということを後で知ってこわい思いをすることになるかもしれません。いつもと違うことをしている時に限って、イレギュラーなことが起きることはよくあることです。
■喉元過ぎれば熱さを忘れる
大変な思いをしてなんとか危機を乗り越えることができると、何事もなかったかのようにいつもの日常に戻ってしまうのが世の常です。しかし、同じようなことがまたいつ起きるかわかりません。年末年始に起きたトラブルは1年後の次の年末年始にやってくるかもしれないのです。今回は運良くヒヤリハットで終わったとしても、次も同じようにうまくいくとは限りません。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で終わらせるのではない、トラブルの原因は何だったのか、再発防止のための課題は何なのかについて徹底的に振り返るべきなのです。
■忙しいから省かれるSeeがリスクの見逃しを生む
PlanDoSeeやPlanDoCheckActionの重要性は誰もが認めるにもかかわらず、実際はうまくまわっていないということが少なくありません。特に現代のように技術革新や価値観の多様化など経営環境が急速に変動する時代においては、現状を常に把握して計画を修正して行動を最適化していくというアクティブなマネジメントが要求されます。Seeによる現状把握がタイムリーに実施されず、Planも一度立てたままで変更なしというのでは、リスクもチャンスも見逃してしまいかねません。
■仕事の終わりには必ず「総括」をしよう
今は昔以上に日報や週報、総括ミーティングといった振り返り活動の重要性が高まっています。誰かが気づいたちょっとした変化があっというまに大きなトレンドとして会社を飲み込んでしまうかもしれません。実際、ビッグデータやIoT、AIなどちょっと前の最先端キーワードは今や当たり前になりつつあります。変化が激しい時代においては、今起きていることよりもこれから起きるであろうことに気づいて早く軌道修正することが重要になります。そのためには、トップ以下社員全てが変化を恐れず嫌わず、変化に立ち向かう姿勢を持たなくてはなりません。「今日もうまくいきました。」や「目標に向かって順調に進んでいます。」といった無難な業務報告ではなく、「こんなケースが増えてくるかもしれません」とか「もっとこうするべきではないでしょうか。」といった予測的、建設的な意見を出し合うべきです。そのためには、計画や基準を拠り所にして動かない行動スタイルから、結果や見込みにもとづいて動いていく行動スタイルにシフトしていくことが必要なのです。