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  • 2021.12.22
  • 第三十八稿「Webマーケティングへの期待と誤解」-大事なことは昔から変わらない-

■暴走気味のWebマーケティング
新型コロナによる外食規制や、テレワーク普及による外回り営業の困難化などから、ネットショップやメルマガ、SNSなどいわゆるデジタルマーケティングやWebマーケティングと呼ばれる新たな営業方法に注目が集まっています。それに伴って、「売れるWebマーケティング」といったセミナーや、「Webマーケター急募」といった、Webマーケティングをキーワードにした情報が飛び交っています。CMO(Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者)という肩書きを持つ人が唐突に登場するなど、マーケティング人材も急に増えています。

■うますぎる話に注意する
「SEO(検索エンジン最適化」サービスで集客アップ」とか「売上が驚くほど増えるランディングページ」といった宣伝広告がWeb上であふれています。昔から言われていることですが、うまい話には裏があります。お金さえかければ検索エンジンの上位に表示されますが、だからといって注文にいたるとはかぎりませんし、プレゼントやクーポンを出せば一時的に集客も注文も増えるかもしれせん。

■売り込むだけの宣伝広告は顧客を騙すようなもの
売れればいい、売り込めればいいだけの宣伝広告は、マーケティングでは決してありません。
マーケティングは自社の商品を必要とする潜在顧客を探し出し、見つけてもらえるように宣伝広告して、購入した顧客が買ってよかったと喜んでもらうことを目的とするものだからです。
宣伝広告だけに特化したWebマーケティングは偽物です。Webサイトに来てもらおうが、買ってもらおうが、本来ならば顧客にすべきでない人を無理やり呼び込むやり方では、リピート客は増えませんし、よき口コミも出てきません。

■本当のマーケティングは顧客の幸せを考える
本当のマーケティングの実践者は自社がターゲティングした顧客ではない訪問者には、その顧客に合う競合先の商品やサービスを紹介することさえ躊躇しません。大事なことは目先の売上を上げることではなく、顧客を創ること増やすことであり、その人がいずれ自社の顧客になるかもしれない、あるいは顧客を紹介してくれることを期待するのです。多くの人は、そんな甘い考え方は世の中で通用しないと思っています。しかし、ユニクロの柳井社長も星野リゾートの星野社長も、こうした真のマーケティングの実践者です。目先の損得など脇に置いて、顧客の幸せのことだけを考える、そんな会社や社員があれば、そこの商品を買いたいと思いませんか?