- 2022.02.1
第四十稿「全社改革の鍵を握るクロスオーバーチーム」-まずは相互理解から-
■クロスオーバーチームとは
クロスオーバーチームとは、様々な組織や職種、役職の社員がメンバーとして集まることによって、部署の壁を越えた議論や活動をしようというものです。DX推進はもちろんのこと、リーンシックスシグマによる経営改革、品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステム、情報セキュリティ対策、SDGsなど一部署の役割だけでは収まらない活動全てにおいて、必要となる体制といえるでしょう。
■現状維持になりがちな全体会議
しかしISO委員会など全体会議の実例をみてみると、なかなか部署の壁を越えた議論や活動ができているとは言えないようです。品質目標や環境目標は部署単位で設定され、変革を模索するようなクロスオーバーチームになっていないように思われます。QC工程図などの業務フローも現状維持ベースで作成されており、大幅に改良されることはあまり行われていないのではないでしょうか。
■境界を越えて交じり合う
クロスオーバーチームの「クロスオーバー」とは本来、境界を越えて交じり合うことを意味します。部署ごとの代表者が自部署の利害を守るために全体会議に出席するのではなく、全体会議のメンバー同士が真の仲間であり、場合によっては、そこで決めた革新アイデアを自部署に持ち帰って、説得する役割を担うことすら期待されます。
■自部署の目線から他部署の目線へ
各部署からの代表が集まっても、自部署の目線でしか思考できないのでは、新しいアイデアを創造することは困難です。結局、各メンバーの主張が調整された妥協の場になってしまうことは目に見えています。自部署の改善を考えることができるのは他部署の人間であり、「こうして欲しい」とか「これは要らない」といった内部顧客の声に耳を傾けることが必要なのです。
■まずは相互理解から始める
全社改革は部署の壁を越えることから始まります。そしてそれは、単に各部署から代表メンバーを集めたからできるような簡単なことではありません。日頃、あまりコミュニケーションしない他部署の人間との間で信頼関係を築くために、まずは相互理解から始めてみてはどうでしょうか。いいことも悪いことも共有する家族のような仲間だからこそ、本音で意見を交換できるのであり、他人同士のような関係のままで、クロスオーバーチームにはなれないのです。