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  • 2023.09.11
  • 第六十七稿「リスキリングは知識や技能の追加ではなく入れ替えが必要」-アンラーン(知識のリセット)できていますか-

■社員教育や自己啓発とは異なるリスキリング
最近よく耳にするようになった言葉にリスキリングがあります。社員教育や自己啓発が大事であることは今も昔も変わらないのに、なぜ今、リスキリングに必要性が叫ばれているのでしょうか。それは、AIなど高度なデジタル技術が仕事も生活も今までとはまるで違うものにしてしまう時が差し迫ってきているからなのです。

■DX推進の大きな鍵を握るリスキリング
リスキリングはDX(デジタルトランスフォーメーション)とともに語られることが多いです。それは、社内の業務をどれほど高度なデジタル技術を導入して変革したとしても、社員がついて来れなければ意味がないためです。

■仕事としてのリスキリング
社員教育は「今」の仕事のやり方をスムーズに行えるようにするためのもの、自己啓発は社員自身が必要と考える知識や技能の習得のために「自主的」に取り組むものだとすれば、リスキリングは「未来」の仕事のやり方に対応できるようにするためのものであり、自分の会社のイノベーションのために行う意味において「義務」として取り組むべきものです。

■引退後も生きていくことが大変に
定年退職して会社を引退した後も、リスキリングしておかないと大変な老後を迎えることになるかもしれません。DXの流れはますます急激になっていく一方であり、高度にデジタル化した社会に適応できない高齢者は体が元気でも生活困難者になってしまう危険があります。

■リスキリングに必要となる3つのサイクル
リスキリングには以下の3つのサイクルが必要とされています。

①アンラーン(知識のリセット)
②リラーン(再学習)
③ブレークスルー(古い習慣を打破して新たな習慣を学ぶ)

特に、①アンラーンではせっかく苦労して獲得した知識を手放すことに抵抗を覚える人は多いはずです。また、新たに勝ち取った知識を実際に使いこなす(③ブレークスルー)ことも容易ではありません。

■未来人にバージョンアップできるか、過去の遺物に成り下がるか
社会全体が変わりゆく中で、立ち止まっていることはできません。「今」を生きる現代人には「未来」を切り開く大きな使命があります。リスキリングが持つ真の意味を理解すれば、その取り組みは簡単ではないし、「今」から脱却するという強い覚悟が必要になることに気づけるでしょう。